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74:純粋理性批判; アプリオリな総合判断;超越論的観念論



第74話
純粋理性批判を理解する唯一の方法
アプリオリな総合判断は、最初の決め事(=言語ルール)
「超越論的観念論・哲学」などと言ったら、正直過ぎでしょう

表題のように「純粋理性批判を理解する唯一の方法」を説明する。
本来は、「今さら、純理」であるべきなのに
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前世紀中ごろまでは、「純理」はインテリのマストアイテムだったそうですが、今や、「インテリ」という言葉すら色あせてしまったわけで、

「純理」を読んでいるなんて、恥ずかしくて人には言えない

という空気がわからないほど鈍感のつもりはないが、 多少のことを述べよう。
 
このブログでは、終始「理系の普通の感覚」から逸脱することはないはずで、 そうならば、
  • いまさら、プリンキピアを読むことはないだろう。 そうならば、いまさら、純粋理性批判を読むこともないだろう。

であって、本来ならば(すなわち、 学問が健全に発展しているのならば)、「いまさら、純理なんて」であるべきと思う。


近世の哲学「デカルトからカントまで」は、今日的には厳しい評価が下されているかもしれない。その理由は

「計算可能な形式」を持たない理論は、理解不可能

だからで、すなわち、

わかるはずの無いことを、理屈を捏ね繰り回しているだけ、
「認識」を本気でわかりたいならば、脳科学に突入すべき

と誰もが気付き始めたからだと思う。 

しかし、 そうだとしても、

「『純理』はこのまま自然消滅で、居場所は哲学史の中だけ」

というのでは情けないわけで、

もうそろそろ、生産的な意味で、
「今さら、純理なんて」と言おうよ

である。



「純粋理性批判」のこのブログ的総括 を以下に書く。
このブログでは、19世紀の評判通りに、やはり、

「純理」は、人類の英知のひとつの到達点である

と思いたい。 そして、

第4(下)話「量子力学」の大きな物語の図(B)

を信じるならば、昨日述べた
純理という「謎の暗号文」を解読する方法
は、次の一括置換しかない。 すなわち、

 「認識論よ。 さらば」 

である。
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 一括置換
 
「純理」をワードでタイプして、「認識」を「言語」に一括置換すればいい。すなわち、

【認識】 ⇒一括置換⇒ 【言語】

とすれば、「純理」は「計算できる形式(量子言語)」にただちに変貌する(8.1節)。
以下に、これを見よう。

純粋理性批判 (量子言語)】 のエンカルタ百科事典的説明


純粋理性批判 (量子言語)】で明らかにされたのは, 人間の【認識 (記述)】能力は,世界の事物をただ受動的に【模写する (記述する)】だけではなく,むしろ世界に能動的にはたらきかけて,その【認識 (記述)】の対象をみずからつくりあげるということである.つくるとはいっても,世界を無からつくりあげるわけではない. 世界はなんらかのかたちですでにそこにあり,【認識 (記述)】が成立するには,感覚をとおしてえられるこの世界からの情報が材料として必要である.しかし,この情報はそのままでは無秩序な混乱したものでしかない. 【人間の認識能力 (量子言語の記述法)】は,自分に本来そなわる一定の形式をとおして,この混乱した感覚の情報に整然とした秩序をあたえ, それによってはじめて統一した【認識 (記述)】の対象をまとめあげるのでなければならない.
純理 (量子言語)】によれば,【認識 (言語)】にそなわるその形式とは,
  • 感性の形式 (測定に関する言語ルール)
  • 悟性の形式 (因果に関する言語ルール)

である.そうだとすれば,「すべての物は時間と空間のうちにある」とか「すべては因果関係にしたがう」という命題は経験的には証明できないにもかかわらず,すべての経験の対象に無条件にあてはまることになる.というのも,空間や時間や,因果関係といった形式によってはじめてその対象が構成されるからである.それはたとえば,すべての人間が【緑のサングラスをかけた (緑という言葉しか使えない)】場合,「世界は緑である」という発言がすべての人間にとって正しい発言とみなされるのに似ている.


アプリオリな総合判断(=ア・プリオリにそなわるその形式)とは,

感性の形式 (測定の言語ルール) 】と【悟性の形式 (因果の言語ルール)

であり、「タブラ・ラサ(白紙)」ではない。そして、経験を通して

認識力 (言語的解釈) 】

が徐々に形成されていく。


要するに、純粋理性批判を理解するには、次の(A),(B)しかない。

(A): 量子言語を理解する
(B): 上の一括変換【認識言語 】を行なう


である。


この「一括変換(すなわち、「言語論的転回」)」によって、

世界記述法の分類{ 実在的世界記述法
言語的世界記述法
・・・物理学 
・・・量子言語


における言語的世界記述法の精神が自動的に生成される。
このブログの主張は、

【純粋理性批判(計算できない形式)】 ⇒ 【量子言語(計算可能な形式)】

によって、 初めて、「理解可能な哲学(=計算可能な形式をもつ哲学)」として量子言語が獲得できる(第4(下)話「量子力学」の(B)参照)。 量子力学の数学構造をそのまま移行しているだけなので、「計算可能な形式」は自明でしょう。

「超越論的」などと言ったら、正直過ぎでしょう
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カント哲学は、「超越論的観念論」と言われることもありますが、

「超越論的」とは、「論理的飛躍・破綻」とか「論理的説明不可能な」

という意味でしょう。 このような「超越的」をカント自身が認めていることは、「カントの誠実・正直さ」を表しているだけのことで、「カント哲学の不備」を意味していることではありません。
さて、上のような一括変換(言語論的転回)、すなわち、

 【認識】 ⇒言語論的転回⇒ 【言語】 

を実行したとしたら、 「カントの超越的なこと」は「量子言語の超越的なこと」に変換されるはずである。 それでは、

「量子言語の超越的なこと」とは、何か?

ですが、 その答えは、第3(中)話「形而上学の復権」の(B)参照で述べたように、

人間の言語能力の驚異(=言語ゲームの不思議)

でしょう

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著者は「計算可能な形式」で頑張り切れると確信して、
  
難解な(すなわち、計算可能な形式を持たない)哲学は、
インテリのマストアイテムにしかなり得ない
 


とはラジカルですね。 

それにしても、
  • 偉大な哲学者達(パルメニデス、プラトン、アリストテレス、トマス・アクィナス、デカルト、ジョン・ロック、 ライプニッツ、ヒューム、カント等)は、

    なぜ謎の暗号文を残したのか?

    すなわち、

    なぜ量子言語にとって都合の良いことばかりを発言してくれたのか?


と問いたくなるが、 著者の主張は、
みんな同じもの(=言語的世界記述法)を目指していたから。

ですね


科学哲学(二元論的観念論)

量子言語(=測定理論)は、統計学と量子論を合わせた程度の強力な記述力を有する言語である。 量子言語の習得には、いろいろなアプローチの方法があっていい。 このブログでは、数物には関わらず、哲学【二元論的観念論】をメインに量子言語を紹介して、西洋哲学史の本流は常に量子言語に向かって進歩してきたことを確認する。ブログとは、一旦書いてしまうと、訂正するのが億劫になるものである。 したがって、本ブログと大幅な変更があるわけではないが、現時点での正式バージョンは【Western philosophy(PDF)】を見よ。

目次

  • 0:【Home】リンク付き目次(スマホ利用者用)
  • 1:量子力学の観測・解釈問題の解決
  • 2(上):科学哲学とは? (形而上学;統計学;量子力学)
  • 2(下):世界記述(至上)主義
  • 3(上):1+1=2:発明王エジソン;形而上学
  • 3(中):論理実証主義と形而上学
  • 3(下):ケルヴィン卿の形而上学
  • 4(上): 測定理論(=量子言語); 世界記述法の分類
  • 4(中):ソーカル事件の「脱構築」
  • 4(下)論考、知の欺瞞、量子言語
  • 5:古典力学的世界観;量子力学的世界観
  • 6:科学と統計学;量子言語;
  • 7:赤い糸 : 量子力学の観測と因果関係
  • 8:運命の量子的出会い(観測と因果律)
  • 9:コペンハーゲン解釈は虚構;因果と測定
  • 10: $[$一元論、二元論$]$×$[$実在論、観念論$]$
  • 11:離別の予感(測定と因果)
  • 12:ピタゴラス(万物は数)
  • 13:パルメニデスとヘラクレイトス;運動・変化
  • 14: 科学とは何か? 運動;因果律;確率;測定
  • 15:パルメニデスの理屈っぽさ: ゼノンのパラドックス
  • 16(上):ゼノンのパラドックスは未解決問題
  • 16(補): ハジキの公式:形而上学的命題
  • 16(中):「アキレスと亀」は未解決問題
  • 16(下): ゼノンのパラドックスの必然性
  • 17(上):存在論(パルメニデス)
  • 17(下):存在とは何か?(パルメニデス)
  • 18(上):[人気No.3]哲学は進歩したか?
  • 18:無知の知:ソクラテスの詭弁
  • 19:人間は万物の尺度:プロタゴラス×ソクラテス;倫理哲学
  • 20:イデア論:プラトンの詭弁
  • 21(上):プラトンのイデアは絶対基準・測定器のこと
  • 21(下): 西洋哲学はプラトンの脚注
  • 22(上):万学の祖アリストテレス;形相,質料
  • 22(下): プラトンとアリストテレスの融合;スコラ哲学
  • 23(上):アリストテレスの目的因
  • 23(下):三段論法を信じますか? アリストテレス
  • 23(補):必要条件と十分条件
  • 24(上):アリスタルコス(古代の地動説);アルキメデス
  • 24(下):アリスタルコス:古代の地動説
  • 25(上):ユークリッド幾何学--平行線の公準
  • 25(下):言語と数学;公理主義
  • 26:エラトステネス:古代最大の測定者
  • 27:総括〈ギリシャ vs.アレクサンドリア〉
  • 28:天動説(プトレマイオス)
  • 29:古代科学の三つの集大成
  • 30:アウグスティヌスとプラトン哲学
  • 31:アウグスティヌスと時間論;告白
  • 32:十字軍:イスラム文化(アリストテレス)の流入
  • 32.5: 位取り記数法(アラビア数字;ゼロの発見)
  • 33:神の存在証明(アンセルムス);スコラ哲学
  • 34:普遍論争と「存在・実在」;スコラ哲学
  • 36:[人気No.5]オッカムの剃刀(節約の原理)
  • 37:パラダイムシフト;コペルニクスとニュートン
  • 37(中):プラトンとアリストテレス;アテナイの学堂
  • 37(下):帰納主義;イドラ;ベーコン;経験論の祖
  • 38:天動説から地動説へ
  • 39:地動説・天動説とは、何か?
  • 40:ガリレオと地動説;ピサの斜塔;裁判
  • 41:ガリレオからニュートンへ
  • 42:プリンキピアと地動説
  • 43:因果関係とは何か?
  • 44:実在的因果関係(物理学)
  • 45:認識的因果関係(ヒューム・カント)
  • 46:数学的因果関係(ピタゴラス教団)
  • 47:言語的因果関係
  • 48:我思う、 ゆえに我在り(方法序説:デカルト)
  • 49:コギト命題からデカルト図式へ
  • 49下:物心二元論・心身二元論
  • 50:オカルト図式?
  • 52:中二病(デカルトの懐疑)
  • 53:世界記述と非ユークリッド的転回
  • 54:二元論・観念論に対する誤解
  • 56:ジョン・ロック$[$人間知性論$]$タブラ・ラーサ
  • 57:イギリス経験論の祖:ジョン・ロック;第ニ次性質
  • 58:大陸合理主義:ライプニッツ; 生得説
  • 59(上):日常言語はイギリス経験論的
  • 59(下):量子言語はカント哲学的
  • 60:唯心論:バークリー;存在するとは知覚されること
  • 61:懐疑主義:ヒューム
  • 62:実在的世界記述法と言語的世界記述法
  • 63:量子力学の道具主義化
  • 64:ライプニッツ・クラーク論争; 時空とは何か?
  • 65:コペンハーゲン解釈
  • 66:原点回帰:再びパルメニデスへ
  • 67:マクタガートのパラドックス:時間論:時制
  • 68:アウグスティヌスの時間論:主観的時間
  • 70:カント:二律背反(アンチノミー)
  • 71:「我思う、ゆえに我あり」を疑う
  • 72:カントの物自体; 模写説から構成説
  • 73:コペルニクス的転回;純粋理性批判
  • 74:純粋理性批判; アプリオリな総合判断;超越論的観念論
  • 78:カント登場の必然性
  • 78(補): 功利主義;ベンサム;最大多数の最大幸福
  • 79(上): ラプラスの魔:ゼノンのパラドックス
  • 79(下): ホーキング博士の哲学批判
  • 80:カントール:集合論
  • 80(下):空集合と選択公理
  • 81:数理論理学:数学のような、哲学のような
  • 82:弁証法という諺:ヘーゲル
  • 825: プラグマティズム(実用主義)のジレンマ
  • 83:論理哲学論考;ウィトゲンシュタイン
  • 84:言語論的転回;言語哲学
  • 86: 量子力学の解釈とは何か?
  • 88:量子言語の記述力;言語ゲーム;語りえぬもの;ウィトゲンシュタイン
  • 88.5:[人気No.1]心身問題の解決
  • 89: ボーア × アインシュタインの量子力学論争
  • 90: 二つの量子力学
  • 91: 数学の三大発見
  • 92: フォン・ノイマン;量子力学
  • 93: アリストテレス、ライプニッツ、フォン・ノイマン
  • 94: 確率の歴史
  • 95:確率の哲学: 確率とは何か?
  • 96: 確率論 vs. 量子言語
  • 97: 確率論: 二元論の消去
  • 98: 主観的時間; 科学哲学論争
  • 99: フィッシャーの最尤法
  • 100: 科学哲学の大きな物語の終焉
  • 補101:測定・推定・制御の科学哲学
  • 補102:ベイズ統計・ベイズの定理
  • 補103: 確率論と統計学
  • 150:量子力学再入門: ヒルベルト空間法
  • 152:エルミート行列のスペクトラル分解:量子力学再入門
  • 154:スピン:量子力学再入門
  • 156:ハミルトニアンの量子化:量子力学速習
  • 158:同時測定と可換条件:量子力学再入門
  • 160:ド・ブロイのパラドックス:量子力学再入門
  • 162:EPRパラドックス:量子力学再考
  • 164ベルの不等式:量子力学再考
  • 166:[人気No.4]ハイゼンベルグの不確定性原理はキャッチコピー
  • 168:EPRパラドックスの結末
  • 170:ハイゼンベルグの不確定性原理とEPRパラドックスは矛盾?
  • 174:[人気No.2]射影仮説:波束の収縮
  • 176:量子デコヒーレンス
  • 178:ハイゼンベルグ描像
  • 180:正準交換関係の不確定性関係
  • 182:行列のトレース
  • 184:ベルトランの逆説
  • 190:全射・単射・全単射
  • 192:」単射(順列)・全単射(スターリング数)
  • 500:量子言語入門(大学院講義ノート)