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*50:コペンハーゲン解釈: オカルト図式?:

第50話
デカルト図式はオカルト的?

「コペンハーゲン解釈」を大雑把にまとめておこう。



コペンハーゲン解釈(=言語的コペンハーゲン解釈)とは、
  • 次のデカルト図式を想定して、あらゆる現象を記述する

ことである。


さて、

(A):測定とは?

  • 「我」と「物」の相互作用(ⓐとⓑ)のこと
である。ここに、
ⓐ:「我」が「物」に干渉する(チョッカイをかける)
ⓑ: その反応を、「測定値」として「我」の脳で感知する

しかし、二元論では、相互作用(ⓐとⓑ)のことを陽に言ってはならない

すなわち、

 観客は舞台に上がってはならない(測定者と測定対象の分離)
また、


測定は一回しかできない
なぜならば、一回測定すると、相互作用によって、測定対象が擾乱がされるわけであるが、それによって二回目の測定値が影響を受けることになり、相互作用が露わになってしまう。 したがって、「測定は一回しかできない」としておけば、「臭いものに蓋」が出来る。


となる。

デカルト図式の相互作用(干渉ⓐと反応ⓑ)を「見て見ない振り」をするのが、二元論(=コペンハーゲン解釈)の奥義。 しかし、

(B):   「相互作用(ⓐとⓑ)が在るのに、無い」と嘘を言う
わけである。 もし相互作用があったとしても、測定は一回だけだから、相互作用を検知できないわけで、相互作用がないのと同じとも言える。
  • 「無理が通れば道理ひっこむ」

で、パラドックスが多発しても、それでも謝らないのが「量子力学(=二元論=コペンハーゲン解釈)」である。
謝ってしまうと、すなわち、相互作用を認めてしまうと、相互作用を記述する仕掛けを要請されてしまう。 そして、
  • その要請に答えてしまうと、一元論になってしまう

のです。 測定者と測定対象が同じ時空にいては、相互作用が生じてしまうので、
 (C):「測定者には時空がない」というオカルトを主張する
しかない。
  • そうならば、
    • 「測定者はどこにいるのか?」と聞かれても、「『どこ』って何ですか?」
    • 「測定者はいつ測定するのか」と聞かれても、「『いつ』って何ですか?」
    • 「相互作用(ⓐとⓑ)はあるのか?」と聞かれても、「『相互作用』って何ですか?」

    と返事すればよい。

すなわち、
(D):二元論(=「科学を一人称で語る」 )とは、オカルト( 「我の存在」「我の時空の非存在」 )を信じる覚悟こと
なのですが、
(E): 「我思う、故に我あり」と宣言したときに、デカルトにこのような覚悟は無かったかもしれない
ですね。 なぜならば、

  • 「我思う、故に我あり」こそ、観客が舞台に上がってしまったルール違反の命題だからである。


すなわち、「我思う、故に我あり」とは、
  • 「我思う」ことを、我が観測して、「我あり」と思う

わけであるが、 「我」が測定者でもあるし、測定対象でもあるわけで、測定者と測定対象の分離に反するからである。


コペンハーゲン解釈にかなり慣れてきたと思うので、次の演習問題に挑戦してもらいたい。
演習問題: コペンハーゲン解釈の下に次の哲学者の至言の是非を検討せよ。
  • (1);私とは何か?
  • (2);I think, therefore I am(デカルト)
  • (3);世界五分前仮説;「世界は実は5分前に始まったのかもしれない」という仮説(ラッセル)
  • (4);現在だけが存在する。 過去も未来も存在しない(アウグスティヌス)
  • (5);私は今、夢をみているのかもしれない(胡蝶の夢)
  • (6);運動は存在しない(パルメニデス)
  • (7);万物は流転する(ヘラクレイトス)
  • (8);世界内存在(ハイデガー)

答え:(1)私が私を観察して「私とはなにか?」を知ろうとしている。 ということは、コペンハーゲン解釈「測定者と測定対象の分離」に反する。 よって、科学的命題ではない。 しかし、「私とはなにか?」というと、結構高尚に聞こえるので、宗教の勧誘には使える。
(2)は、、「私が思っている」ことを私が観測して、私は存在していると思う。 と言うことは、コペンハーゲン解釈「測定者と測定対象の分離」に反する。 よって、科学的命題ではない。
(3),(4);コペンハーゲン解釈「測定者に時空は無い。 『今』もない」に反する。 よって、科学的命題ではない。
(5);測定者と測定対象があいまい。よって、科学的命題ではない。
(6);測定は一回しかできないのだから、測定対象が動いたかどうかは実感できない。 よって、(6)は科学的命題である。
(7);(6)の反対なので、科学的ではない
(8);意味不明だが、「測定者も世界の一部」という意味だとしたら、コペンハーゲン解釈「測定者と測定対象の分離」に反する。 よって、科学的命題ではない。

要するに、コペンハーゲン解釈はハチャメチャであるが、哲学者の至言(1)-(8)の方がもっとハチャメチャなので、コペンハーゲン解釈の方を選ぶということである。
自己言及的命題「無知の知( I know I know nothing)」を、 文系的に、
  • 真の知への探求は、まず自分が無知であることを知ることから始まるということ。

などと高尚な言葉として、感心することを否定するわけではないが、それは本ブログの方向ではない。

コペンハーゲン解釈など知らなくてもかまわないが、
  • (1)-(8)を単なる言葉遊びで終わらせない試み

はぜひ考えてもらいたい。





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それにしても、

  デカルト図式(コペンハーゲン解釈)は、ハチャメチャ  

であるが、
量子力学には輝かしい実績があるから、「道理」など無視するということですね。 
そうならば、デカルト図式は、
  • オカルト図式

ですね。 こう言われても、気にしないのが量子力学なのですね











量子言語(二元論的観念論)

量子言語(=測定理論)は、統計学と量子論を合わせた程度の強力な記述力を有する言語である。 量子言語の習得には、いろいろなアプローチの方法があっていい。 このブログでは、数物には関わらず、哲学【二元論的観念論】をメインに量子言語を紹介して、西洋哲学史の本流は常に量子言語に向かって進歩してきたことを確認する。ブログとは、一旦書いてしまうと、訂正するのが億劫になるものである。したがって、本ブログと大幅な変更があるわけではないが、現時点での正式バージョンは
【理系の西洋哲学史;大学院講義ノート(KOARA 2018)】 を見よ。また、

目次

  • 0:【Home】理系の西洋哲学史;リンク付き目次
  • 1:量子力学の観測・解釈問題の解決
  • 2(上):科学哲学とは? (形而上学;統計学;量子力学)
  • 2(下):世界記述(至上)主義
  • 3(上):1+1=2:発明王エジソン;形而上学
  • 3(中):論理実証主義と形而上学
  • 3(下):ケルヴィン卿の形而上学
  • 4(上): 測定理論(=量子言語); 世界記述法の分類
  • 4(中):ソーカル事件の「脱構築」
  • 4(下)論考、知の欺瞞、量子言語
  • 5:古典力学的世界観;量子力学的世界観
  • 6:科学と統計学;量子言語;
  • 7:赤い糸 : 量子力学の観測と因果関係
  • 8:運命の量子的出会い(観測と因果律)
  • 9:コペンハーゲン解釈は虚構;因果と測定
  • 10: $[$一元論、二元論$]$×$[$実在論、観念論$]$
  • 11:離別の予感(測定と因果)
  • 12:ピタゴラス(万物は数)
  • 13:パルメニデスとヘラクレイトス;運動・変化
  • 14: 科学とは何か? 運動;因果律;確率;測定
  • 15:パルメニデスの理屈っぽさ: ゼノンのパラドックス
  • 16(上):ゼノンのパラドックスは未解決問題
  • 16(補): ハジキの公式:形而上学的命題
  • 16(中):「アキレスと亀」は未解決問題
  • 16(下): ゼノンのパラドックスの必然性
  • 17(上):存在論(パルメニデス)
  • 17(下):存在とは何か?(パルメニデス)
  • 18(上):[人気No.3]哲学は進歩したか?
  • 18:無知の知:ソクラテスの詭弁
  • 19:人間は万物の尺度:プロタゴラス×ソクラテス;倫理哲学
  • 20:イデア論:プラトンの詭弁
  • 21(上):プラトンのイデアは絶対基準・測定器のこと
  • 21(下): 西洋哲学はプラトンの脚注
  • 21.3; [New]幾何学を知らぬ者、この門をくぐるべからず
  • 21.5:[New] プラトンの評価
  • 22(上):万学の祖アリストテレス;形相,質料
  • 22(下): プラトンとアリストテレスの融合;スコラ哲学
  • 23(上):アリストテレスの目的因
  • 23(下):三段論法を信じますか? アリストテレス
  • 23(下):[New]三段論法は量子系では当てにならない
  • 23(補):必要条件と十分条件
  • 24(上):アリスタルコス(古代の地動説);アルキメデス
  • 24(下):アリスタルコス:古代の地動説
  • 25(上):ユークリッド幾何学--平行線の公準
  • 25:[New]アルキメデス;(エウレーカ(発見した))
  • 25(下):言語と数学;公理主義
  • 26:エラトステネス:古代最大の測定者
  • 27:総括〈ギリシャ vs.アレクサンドリア〉
  • 28:天動説(プトレマイオス)
  • 29:古代科学の三つの集大成
  • 30:アウグスティヌスとプラトン哲学
  • 31:アウグスティヌスと時間論;告白
  • 32:十字軍:イスラム文化(アリストテレス)の流入
  • 32.5: 位取り記数法(アラビア数字;ゼロの発見)
  • 33:神の存在証明(アンセルムス);スコラ哲学
  • 34:普遍論争と「存在・実在」;スコラ哲学
  • 36:[人気No.5]オッカムの剃刀(節約の原理)
  • 37:パラダイムシフト;コペルニクスとニュートン
  • 37(中):プラトンとアリストテレス;アテナイの学堂
  • 37(下):帰納主義;イドラ;ベーコン;経験論の祖
  • 38:天動説から地動説へ
  • 39:地動説・天動説とは、何か?
  • 40:ガリレオと地動説;ピサの斜塔;裁判
  • 40.5:[New]ガリレオ;新科学対話の私的な疑問
  • 41:ガリレオからニュートンへ
  • 42:プリンキピアと地動説
  • 42.5:[New]ニュートンは何故微分方程式を使わないで、プリンキピアを書いたのか?
  • 43:因果関係とは何か?
  • 44:実在的因果関係(物理学)
  • 45:認識的因果関係(ヒューム・カント)
  • 46:数学的因果関係(ピタゴラス教団)
  • 47:言語的因果関係
  • 48:我思う、 ゆえに我在り(方法序説:デカルト)
  • 49:コギト命題からデカルト図式へ
  • 50:[New]コペンハーゲン解釈;オカルト図式?
  • 52,5:[New]デカルトの理系的評価
  • 53:世界記述と非ユークリッド的転回
  • 54:二元論・観念論に対する誤解
  • 56:ジョン・ロック$[$人間知性論$]$タブラ・ラーサ
  • 57:イギリス経験論の祖:ジョン・ロック;第ニ次性質
  • 58:大陸合理主義:ライプニッツ; 生得説
  • 59(上):日常言語はイギリス経験論的
  • 59(下):量子言語はカント哲学的
  • 60:[New] 唯心論:バークリー;存在するとは知覚されること
  • 61:懐疑主義:ヒューム
  • 62:実在的世界記述法と言語的世界記述法
  • 63:量子力学の道具主義化
  • 64:ライプニッツ・クラーク論争; 時空とは何か?
  • 65:コペンハーゲン解釈
  • 65.3:「我思う、ゆえに我あり」を疑う
  • 65.7:[New]私とは何か?
  • 65.7:[New]世界五分前仮説
  • 66:原点回帰:再びパルメニデスへ
  • 67:マクタガートのパラドックス:時間論:時制
  • 68:アウグスティヌスの時間論:主観的時間
  • 69:[New; 一番人気] 水槽脳の解決
  • 70:カント:二律背反(アンチノミー)
  • 72:カントの物自体; 模写説から構成説
  • 73:コペルニクス的転回;純粋理性批判
  • 74:純粋理性批判; アプリオリな総合判断;超越論的観念論
  • 78:カント登場の必然性
  • 78.5:[New]カント「純理」の理系的評価
  • 78(補): 功利主義;ベンサム;最大多数の最大幸福
  • 79(上): ラプラスの魔:ゼノンのパラドックス
  • 79(下): ホーキング博士の哲学批判
  • 80:カントール:集合論
  • 80(下):空集合と選択公理
  • 81:数理論理学:数学のような、哲学のような
  • 82:弁証法という諺:ヘーゲル
  • 825: プラグマティズム(実用主義)のジレンマ
  • 83:論理哲学論考;ウィトゲンシュタイン
  • 84:言語論的転回;言語哲学
  • 84.5:[New]ウィトゲンシュタインの評価
  • 86: 量子力学の解釈とは何か?
  • 88:量子言語の記述力;言語ゲーム;語りえぬもの;ウィトゲンシュタイン
  • 88.5:[人気No.1]心身問題の解決
  • 89: ボーア × アインシュタインの量子力学論争
  • 90: 二つの量子力学
  • 91: 数学の三大発見
  • 92: フォン・ノイマン;量子力学
  • 93: アリストテレス、ライプニッツ、フォン・ノイマン
  • 94: 確率の歴史
  • 95:確率の哲学: 確率とは何か?
  • 96: 確率論 vs. 量子言語
  • 97: 確率論: 二元論の消去
  • 98: 主観的時間; 科学哲学論争
  • 99: フィッシャーの最尤法
  • 100: 科学哲学の大きな物語の終焉
  • 補101:測定・推定・制御の科学哲学
  • 補102:ベイズ統計・ベイズの定理
  • 補103: 確率論と統計学
  • 150:量子力学再入門: ヒルベルト空間法
  • 152:エルミート行列のスペクトラル分解:量子力学再入門
  • 154:スピン:量子力学再入門
  • 156:ハミルトニアンの量子化:量子力学速習
  • 158:同時測定と可換条件:量子力学再入門
  • 160:ド・ブロイのパラドックス:量子力学再入門
  • 162:EPRパラドックス:量子力学再考
  • 164:[人気No.6]ベルの不等式:量子力学再考
  • 166:[人気No.4]ハイゼンベルグの不確定性原理はキャッチコピー
  • 168:EPRパラドックスの結末
  • 170:ハイゼンベルグの不確定性原理とEPRパラドックスは矛盾?
  • 174:[人気No.2]射影仮説:波束の収縮
  • 176:量子デコヒーレンス
  • 178:ハイゼンベルグ描像
  • 182:行列のトレース
  • 184:[New]ベルトランの逆説
  • 184:[New]モンティホール問題は最尤法で
  • 184:[New]二つの封筒問題
  • 184:[New]エルゴード仮説と等重率
  • 190:全射・単射・全単射
  • 192:」単射(順列)・全単射(スターリング数)
  • 500:[人気No.3]:コペンハーゲン解釈(PDF)(大学院講義ノート)
  • 501:[人気No.1]:理系の西洋哲学史(PDF); 哲学は進歩したか?(大学院講義ノート)