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65:コペンハーゲン解釈

第65話
言語的解釈
コペンハーゲン解釈の真の姿:

ほとんどの物理学者が次のように思っている。
  • 量子力学の解釈はいろいろあるが、コペンハーゲン解釈以外の解釈は亜流で取り立てて議論するほどのものではない

事実、物理学科の学生ならば、こう教育されていると思う。 そうならば、 次の問からスタートするのが自然だろう:
  • それでは、コペンハーゲン解釈とは、何か?

である。 実は、不思議なことに、
  • 「コペンハーゲン解釈」という名前だけが一人歩きしてしまって、「コペンハーゲン解釈」の実体は誰も知らない

のだと思う。 
たとえば、最近の論文:

では、 コペンハーゲン解釈の親玉であるボーアが、コペンハーゲン解釈の奥義であるはずの「波束の収縮」について一言も述べていないと書いてある。 したがって、
  • 「コペンハーゲン解釈」などは虚構であって、「コペンハーゲン学派」だけがあった

としている。
そうならば、
  • コペンハーゲン解釈の在るべき姿を明確にしたい

というのが、我々の問題である。


さて、測定理論(=量子言語)は量子力学のことわざ化(言語化,物理法則の形骸化,道具主義化,幽体離脱)と言ってもよい.すなわち,
(A):
「世界が先、言葉が後」の精神
量子力学
(実際の現象を記述した文言) 
呪文化

諺化
「言葉が先、世界が後」の精神
測定理論(量子言語)
 (実際の現象から遊離した文言)

なので、
(B):
  「世界が先、言葉が後」の精神
コペンハーゲン解釈
  (実際の現象を記述した文言) 
呪文化

諺化
「言葉が先、世界が後」の精神
 言語的解釈
 (実際の現象から遊離した文言)

と思っていい。
しかし、つぎの注意は重要である。
(C): 多くのコペンハーゲン解釈から精査して選ぶ


量子力学には多くのコペンハーゲン解釈がある。 コペンハーゲン解釈の数は、物理学者の数だけあるといってもいい。 そうならば、 上の(B)は単純でない。 すなわち、 多くのコペンハーゲン解釈を精査して、

  • 言語的(コペンハーゲン)解釈

が選ばれるのである。 そして、それはほぼ一意に決定すると考える。



このようにして決定された言語的解釈は、以下のようになる。
(D): 言語的解釈(=言語的コペンハーゲン解釈)

言語的解釈とは、


Decartes5.jpg

  • 右図(=デカルト図式)を想定して、
    量子力学の言葉(測定理論)で、世界を記述せよ


である。
ただし、
⓪見ていないことを、見たように言うな
①:相互作用(ⓐとⓑ)を陽には言わない. つまり、観客は舞台に上がってはならない  第50話「オカルト」参照
②:測定は一回だけ(第15話「飛ぶ矢」参照
③:測定者には、「時空」は無い(第67話「時制」参照

【注意】したがって、コギト命題「我思う、故に我あり」はルール①に違反する命題で、意味不明な文言である。


となる.


--------
(D)の⓪は当たり前のようですが、これにアインシュタインは噛み付きましたね。
  • 今、天上に見える月が、私が目を閉じたら、在るとも無いとも言えなくなるなんてことがあり得ようか? そんなのは物理学でない。
である。 もちろん、アインシュタインは正しい。 事実、測定理論(=量子言語)は物理学でなくて、言語なのだから。
それにしても、⓪-③まで、オカルト尽くしですね。
  •  科学の基盤は、オカルト

という主張ですね。 言霊信仰ということ




コペンハゲン解釈と言語的(コペンハーゲン)解釈の違い
コペンハーゲン解釈と言語的(コペンハーゲン)解釈は対して違わないとも言えるし、まった違うとも言える。 違いは、
  • コペンハーゲン解釈は物理学で、言語的(コペンハーゲン)解釈は言語」

だけだろう。 したがって、コペンハーゲン解釈の適用範囲は物理の量子現象だけであるが、言語的コペンハーゲン解釈(量子言語)の適用範囲はほぼ科学全体である。 しかも、量子言語の主張は以下の通りである。
  • 本来は言語的コペンハーゲン解釈しかない。 これを物理学に適用しようとして、矮小化してしまったのが「いわゆるコペンハーゲン解釈」である。

 物理という足かせがあるから、「いわゆるコペンハーゲン解釈」は窮屈で奥歯に物が挟まったような主張になってしまったのである。

だから、
  • コペンハーゲン解釈がわかっている人なんて世界中に一人もいない



上のような挑発的な言い方をすると、眉唾と思うに違いない。 そうならば、検索ワード[Copenhagen interpretation]で次を検索してもらいたい。




Google








キーワード「Copenhagen interpretation]の検索で、約一千万件ぐらいがヒットすると思うが、この中で、「Linguistic Copenhagen interpretation」がトップページをとれていれば、すこしは信用してもらえるかもしれない。 もちろん、最悪でも2ページ目がとれていないと困る。 我々の主張は、最高権威は、「いわゆるコペンハーゲン解釈」ではなくて、「言語的コペンハーゲン解釈(量子言語)」である、なのだから。


科学哲学(二元論的観念論)

量子言語(=測定理論)は、統計学と量子論を合わせた程度の強力な記述力を有する言語である。 量子言語の習得には、いろいろなアプローチの方法があっていい。 このブログでは、数物には関わらず、哲学【二元論的観念論】をメインに量子言語を紹介して、西洋哲学史の本流は常に量子言語に向かって進歩してきたことを確認する。ブログとは、一旦書いてしまうと、訂正するのが億劫になるものである。 したがって、本ブログと大幅な変更があるわけではないが、現時点での正式バージョンは【Western philosophy(PDF)】を見よ。

目次

  • 0:【Home】リンク付き目次(スマホ利用者用)
  • 1:量子力学の観測・解釈問題の解決
  • 2(上):科学哲学とは? (形而上学;統計学;量子力学)
  • 2(下):世界記述(至上)主義
  • 3(上):1+1=2:発明王エジソン;形而上学
  • 3(中):論理実証主義と形而上学
  • 3(下):ケルヴィン卿の形而上学
  • 4(上): 測定理論(=量子言語); 世界記述法の分類
  • 4(中):ソーカル事件の「脱構築」
  • 4(下)論考、知の欺瞞、量子言語
  • 5:古典力学的世界観;量子力学的世界観
  • 6:科学と統計学;量子言語;
  • 7:赤い糸 : 量子力学の観測と因果関係
  • 8:運命の量子的出会い(観測と因果律)
  • 9:コペンハーゲン解釈は虚構;因果と測定
  • 10: $[$一元論、二元論$]$×$[$実在論、観念論$]$
  • 11:離別の予感(測定と因果)
  • 12:ピタゴラス(万物は数)
  • 13:パルメニデスとヘラクレイトス;運動・変化
  • 14: 科学とは何か? 運動;因果律;確率;測定
  • 15:パルメニデスの理屈っぽさ: ゼノンのパラドックス
  • 16(上):ゼノンのパラドックスは未解決問題
  • 16(補): ハジキの公式:形而上学的命題
  • 16(中):「アキレスと亀」は未解決問題
  • 16(下): ゼノンのパラドックスの必然性
  • 17(上):存在論(パルメニデス)
  • 17(下):存在とは何か?(パルメニデス)
  • 18(上):[人気No.3]哲学は進歩したか?
  • 18:無知の知:ソクラテスの詭弁
  • 19:人間は万物の尺度:プロタゴラス×ソクラテス;倫理哲学
  • 20:イデア論:プラトンの詭弁
  • 21(上):プラトンのイデアは絶対基準・測定器のこと
  • 21(下): 西洋哲学はプラトンの脚注
  • 22(上):万学の祖アリストテレス;形相,質料
  • 22(下): プラトンとアリストテレスの融合;スコラ哲学
  • 23(上):アリストテレスの目的因
  • 23(下):三段論法を信じますか? アリストテレス
  • 23(補):必要条件と十分条件
  • 24(上):アリスタルコス(古代の地動説);アルキメデス
  • 24(下):アリスタルコス:古代の地動説
  • 25(上):ユークリッド幾何学--平行線の公準
  • 25(下):言語と数学;公理主義
  • 26:エラトステネス:古代最大の測定者
  • 27:総括〈ギリシャ vs.アレクサンドリア〉
  • 28:天動説(プトレマイオス)
  • 29:古代科学の三つの集大成
  • 30:アウグスティヌスとプラトン哲学
  • 31:アウグスティヌスと時間論;告白
  • 32:十字軍:イスラム文化(アリストテレス)の流入
  • 32.5: 位取り記数法(アラビア数字;ゼロの発見)
  • 33:神の存在証明(アンセルムス);スコラ哲学
  • 34:普遍論争と「存在・実在」;スコラ哲学
  • 36:[人気No.5]オッカムの剃刀(節約の原理)
  • 37:パラダイムシフト;コペルニクスとニュートン
  • 37(中):プラトンとアリストテレス;アテナイの学堂
  • 37(下):帰納主義;イドラ;ベーコン;経験論の祖
  • 38:天動説から地動説へ
  • 39:地動説・天動説とは、何か?
  • 40:ガリレオと地動説;ピサの斜塔;裁判
  • 41:ガリレオからニュートンへ
  • 42:プリンキピアと地動説
  • 43:因果関係とは何か?
  • 44:実在的因果関係(物理学)
  • 45:認識的因果関係(ヒューム・カント)
  • 46:数学的因果関係(ピタゴラス教団)
  • 47:言語的因果関係
  • 48:我思う、 ゆえに我在り(方法序説:デカルト)
  • 49:コギト命題からデカルト図式へ
  • 49下:物心二元論・心身二元論
  • 50:オカルト図式?
  • 52:中二病(デカルトの懐疑)
  • 53:世界記述と非ユークリッド的転回
  • 54:二元論・観念論に対する誤解
  • 56:ジョン・ロック$[$人間知性論$]$タブラ・ラーサ
  • 57:イギリス経験論の祖:ジョン・ロック;第ニ次性質
  • 58:大陸合理主義:ライプニッツ; 生得説
  • 59(上):日常言語はイギリス経験論的
  • 59(下):量子言語はカント哲学的
  • 60:唯心論:バークリー;存在するとは知覚されること
  • 61:懐疑主義:ヒューム
  • 62:実在的世界記述法と言語的世界記述法
  • 63:量子力学の道具主義化
  • 64:ライプニッツ・クラーク論争; 時空とは何か?
  • 65:コペンハーゲン解釈
  • 66:原点回帰:再びパルメニデスへ
  • 67:マクタガートのパラドックス:時間論:時制
  • 68:アウグスティヌスの時間論:主観的時間
  • 70:カント:二律背反(アンチノミー)
  • 71:「我思う、ゆえに我あり」を疑う
  • 72:カントの物自体; 模写説から構成説
  • 73:コペルニクス的転回;純粋理性批判
  • 74:純粋理性批判; アプリオリな総合判断;超越論的観念論
  • 78:カント登場の必然性
  • 78(補): 功利主義;ベンサム;最大多数の最大幸福
  • 79(上): ラプラスの魔:ゼノンのパラドックス
  • 79(下): ホーキング博士の哲学批判
  • 80:カントール:集合論
  • 80(下):空集合と選択公理
  • 81:数理論理学:数学のような、哲学のような
  • 82:弁証法という諺:ヘーゲル
  • 825: プラグマティズム(実用主義)のジレンマ
  • 83:論理哲学論考;ウィトゲンシュタイン
  • 84:言語論的転回;言語哲学
  • 86: 量子力学の解釈とは何か?
  • 88:量子言語の記述力;言語ゲーム;語りえぬもの;ウィトゲンシュタイン
  • 88.5:[人気No.1]心身問題の解決
  • 89: ボーア × アインシュタインの量子力学論争
  • 90: 二つの量子力学
  • 91: 数学の三大発見
  • 92: フォン・ノイマン;量子力学
  • 93: アリストテレス、ライプニッツ、フォン・ノイマン
  • 94: 確率の歴史
  • 95:確率の哲学: 確率とは何か?
  • 96: 確率論 vs. 量子言語
  • 97: 確率論: 二元論の消去
  • 98: 主観的時間; 科学哲学論争
  • 99: フィッシャーの最尤法
  • 100: 科学哲学の大きな物語の終焉
  • 補101:測定・推定・制御の科学哲学
  • 補102:ベイズ統計・ベイズの定理
  • 補103: 確率論と統計学
  • 150:量子力学再入門: ヒルベルト空間法
  • 152:エルミート行列のスペクトラル分解:量子力学再入門
  • 154:スピン:量子力学再入門
  • 156:ハミルトニアンの量子化:量子力学速習
  • 158:同時測定と可換条件:量子力学再入門
  • 160:ド・ブロイのパラドックス:量子力学再入門
  • 162:EPRパラドックス:量子力学再考
  • 164ベルの不等式:量子力学再考
  • 166:[人気No.4]ハイゼンベルグの不確定性原理はキャッチコピー
  • 168:EPRパラドックスの結末
  • 170:ハイゼンベルグの不確定性原理とEPRパラドックスは矛盾?
  • 174:[人気No.2]射影仮説:波束の収縮
  • 176:量子デコヒーレンス
  • 178:ハイゼンベルグ描像
  • 180:正準交換関係の不確定性関係
  • 182:行列のトレース
  • 184:ベルトランの逆説
  • 190:全射・単射・全単射
  • 192:」単射(順列)・全単射(スターリング数)
  • 500:量子言語入門(大学院講義ノート)